「ソロモンの偽証」宮部みゆき

【あらすじ】
クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。
彼の死を悼む声は小さかった。
けど、噂は強力で、気がつけばあたしたちみんな、それに加担していた。
そして、その悪意ある風評は、目撃者を名乗る、匿名の告発状を産み落とした―。
新たな殺人計画。マスコミの過剰な報道。狂おしい嫉妬による異常行動。
そして犠牲者が一人、また一人。学校は汚された。
ことごとく無力な大人たちにはもう、任せておけない。
学校に仕掛けられた史上最強のミステリー。
【感想】
学校を舞台にした700ページx3冊の大作ミステリ。
すばらしかった。
全てはある中学生の自殺から始まる。
自殺だと思われていたその事件は、
あることをきっかけに変化していって、
誰も予期しない方向へと広がっていく。
そしてまた・・・。
これは事件の真相を探るミステリでもあるんだけど、
それ以上に中学生たちの物語として非常に面白い。
ミステリ的な面白さではないんだけどそこがいい。
それぞれ苦しみや悩みを持つ中学生たちが、
自分達で何とかしよう、って動く姿、
そしてそれによって変えて行く姿。
それがすばらしかった。
最初は登場人物と同様に本当にモヤモヤしていた気持ちが、
最後にはすっきりしていた。
苦しい部分も描いているけど苦しすぎることもないし、
あっという間に読めてしまった。
宮部みゆきの作品で一番好きになるかもしれない。
是非読んでください
【おすすめ度】
★★★★★