2011-01-01から1年間の記事一覧

「空飛ぶタイヤ」池井戸潤

【あらすじ】 小さな運送会社のトレーラーが起こしたタイヤ脱輪による死亡事故。 事故原因は整備不良か、それとも…。 「容疑者」と目された男が、 家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、 果てなき試練と格闘の数か月! 【感想】 最初に言います…

「スリープ」乾くるみ

【あらすじ】 目覚めると、そこは30年後の世界だった。 『イニシエーション・ラブ』『リピート』に続き、今度は未来へ… 【感想】 主人公がが意識を取り戻すとそこは30年後の世界だった・・・。 そこに至るまでとそれからが描かれるミステリ風の作品。 こうい…

「ヒートアイランド」垣根涼介

【あらすじ】 渋谷でファイトパーティーを開き、 トップにのし上がったストリートギャング雅。 頭のアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金を見て驚愕する。 それはヤクザが経営する非合法カジノから、 裏金強奪のプロフェッショナルの男たちが強奪した金だっ…

「ジェノサイド」高野和明

【あらすじ】 大学院生・研人のもとに死んだ父からのメールが届く。 傭兵・イエーガーは不治の病を患う息子のために、 コンゴ潜入の任務を引き受ける。 二人の人生が交錯するとき、驚愕の真実が明らかになる――。 【感想】 日本の大学院生と、アフリカに潜入…

「ゴーグル男の怪」島田荘司

【あらすじ】 「そいつ、両目の皮膚が溶けたように真っ赤なんですよ…」 煙草屋の老婆が殺された濃霧の夜、ゴーグルで顔を隠した男が、闇に消えた…。 死体の下から見つかった黄色く塗られたピン札、 現場に散乱する真新しい五十本の煙草、 曖昧な目撃情報、続…

「儚い羊たちの祝宴」米澤穂信

【あらすじ】 優雅な読書サークル「バベルの会」にリンクして起こる、邪悪な5つの事件。 恐るべき真相はラストの1行に。衝撃の暗黒ミステリ。 【感想】 名家で起きる事件を描いた短篇集。 半分ミステリで半分ホラーのような作品。 ただしホラーといっても…

「エデン」近藤史恵

【あらすじ】 あれから三年―。 白石誓は、たった一人の日本人選手として、 ツール・ド・フランスの舞台に立っていた。 だが、すぐさま彼は、チームの存亡を賭けた駆け引きに巻き込まれ、 外からは見えないプロスポーツの深淵を知る。 そしてまた惨劇が…。 こ…

「ワイルド・ソウル」垣根涼介

【あらすじ】 一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。 しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。 戦後最大級の愚政“棄民政策”。 その四十数年後、三人の男が東京にいた。 彼らの周到な計画は、テレビ局記者…

「レベル7」宮部みゆき

【あらすじ】 レベル7まで行ったら戻れない―。謎の言葉を残して失踪した女子高生。 記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。 少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。 二つの追跡行はやがて交錯…

「13階段」高野和明

【感想】 犯行時刻の記憶を失った死刑囚。 その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。 だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。 処刑までに残された時間はわずかしかない。 二人は、無実の男の…

「夜市」恒川光太郎

【あらすじ】 妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。 ここでは望むものが何でも手に入る。 再びここを訪れた祐司の目的は・・・。 【感想】 表題作の夜市と風の小道の二編からなるホラー短編。 といってもホラーという印象はあまりなかった。 日…

「明日の記憶」荻原浩

【あらすじ】 知っているはずの言葉がとっさに出てこない。 物忘れ、頭痛、不眠、目眩――告げられた病名は若年性アルツハイマー。 どんなにメモでポケットを膨らませても確実に失われていく記憶。 そして悲しくもほのかな光が見える感動の結末。 上質のユーモ…

「永遠の0」百田尚樹

【あらすじ】 「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。 そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。 終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。 天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、1つの謎が…

「噂」荻原浩

【あらすじ】 「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。 でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」 香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。 口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。 販売…

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」岩崎夏海

【あらすじ】 敏腕マネージャーと野球部の仲間たちが甲子園を目指して奮闘する青春小説。 高校野球の女子マネージャーのみなみちゃんは、マネージャーの仕事のために、 ドラッカーの『マネジメント』を間違って買ってしまいます。 はじめは難しくて後悔する…

「ラブレター」岩井俊二

【あらすじ】 雪山で死んだフィアンセ、藤井樹の三回忌に、 渡辺博子は想い出に封印するかのように、樹が中学時代に住んでいた小樽に手紙を出す。 ところが、今は国道になっているはずの住所から返事がくる。 天国の彼からの手紙?博子は再び返事を書き、奇妙…

「あかんべえ」宮部みゆき

【あらすじ】 江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終ろうとしていた。 主人の太一郎が胸を撫で下ろした矢先、 突然、抜き身の刀が暴れ出し、座敷を滅茶苦茶にしてしまう。 亡者の姿は誰にも見えなかった。 しかし、ふね屋の十二歳の娘おり…

「隠蔽捜査」今野敏

【あらすじ】 竜崎伸也は、警察官僚である。 現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。 その朴念仁ぶりに、周囲は“変人”という称号を与えた。 だが彼はこう考えていた。 エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きている…

「坂の上の雲」司馬遼太郎

【あらすじ】 松山出身の歌人正岡子規と軍人の秋山好古・真之兄弟の三人を軸に、 維新から日露戦争の勝利に至る明治日本を描く大河小説。 【感想】 内容はあらすじの通り。全8巻。 俳諧の世界を変えようとした正岡子規と、 日露戦争で海軍、騎兵の向上に活躍…

「魔術はささやく」宮部みゆき

【あらすじ】 それぞれは社会面のありふれた記事だった。 一人めはマンションの屋上から飛び降りた。 二人めは地下鉄に飛び込んだ。 そして三人めはタクシーの前に。 何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。 さらに魔の手は四人…

「聖なる黒夜」柴田よしき

【あらすじ】 東日本連合会春日組大幹部の韮崎誠一が殺された。 容疑をかけられたのは美しい男妾あがりの企業舎弟… それが十年ぶりに警視庁捜査一課・麻生龍太郎の前に現れた山内練の姿だった。 あの気弱なインテリ青年はどこに消えたのか。 殺人事件を追う…

「照柿」高村薫

【あらすじ】 男と女が恋に落ち、嫉妬に狂う熱病のような夏。殺人は起った。 野田達夫、35歳。17年働き続けてきた平凡な人生に、何が起こったのか。 達夫と逢引する女、佐野美保子はほんとうに亭主を刺したのか。 美保子と出会った瞬間、一目惚れの地獄に落…

「麒麟の翼」

【あらすじ】 寒い夜、日本橋の欄干にもたれかかる男に声をかけた巡査が見たのは、 胸に刺さったナイフだった。 大都会の真ん中で発生した事件の真相に、加賀恭一郎が挑む。 【感想】 加賀恭一郎シリーズ。 被害者の細かな行動を解き明かすところから、 コツ…

「不連続殺人事件」坂口安吾

【あらすじ】 戦後間もないある夏、詩人・歌川一馬の招待で、 山奥の豪邸に集まったさまざまな男女。 作家、詩人、画家、劇作家、女優など、いずれ劣らぬ変人・奇人ぞろい。 邸内に異常な愛と憎しみが交錯するうちに、 世にも恐るべき、八つの殺人が生まれた…

「白銀ジャック」東野圭吾

【あらすじ】 「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」 年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。 警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。 雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。 すべて…

「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦

【あらすじ】 「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、 夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。 けれど先輩の想いに気づかない彼女は、 頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。 そんな2人…

「イニシエーション・ラブ」乾くるみ

【あらすじ】 僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。 やがて僕らは恋に落ちて…。 甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説。 しかし・・・ 【感想】 ネタバレなしでは感想が非常に書きづらい作品です。 この作品…

「リピート」乾くるみ

【あらすじ】 もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら? この夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。 ところがやり直した人生で、以前は起きなかった事件が起こりはじめ・・・ 【感想】 今の記…

「KAGEROU」斉藤智裕

【あらすじ】 『KAGEROU』―儚く不確かなもの。 廃墟と化したデパートの屋上遊園地のフェンス。 「かげろう」のような己の人生を閉じようとする、絶望を抱えた男。 そこに突如現れた不気味に冷笑する黒服の男。 命の十字路で二人は、ある契約を交わす。 肉体…

「砂の王国」荻原浩

【あらすじ】 全財産は、三円。転落はほんの少しのきっかけで起きた。 大手証券会社勤務からホームレスになり、 寒さと飢えと人々の侮蔑の目の中で閃く―「宗教を興す」。 社会を見つめ人間の業を描きだす著者の新たなる代表作、誕生。 【感想】 家族も仕事も…