「夢幻花」東野圭吾

【あらすじ】
黄色いアサガオだけは追いかけるな―。
この世に存在しないはずの花をめぐり、
驚愕の真相が明らかになる長編ミステリ。
【感想】
祖父が殺された孫娘、家族と合わない大学生、息子と会えない刑事、
そんなそれぞれがある事件を追いかけていくミステリ。
まず構造はよくできていた。
冒頭にまるで関係なさそうな描写がいくつか続くんだけど、
それが最終的にはつながってくる。
そして群像劇っぽい話になってるんだけど、
それぞれの人達の悩みや葛藤を描いた場面も悪くない。
ただ全体としては深みがない印象を受けた。
読みやすいし、続きも気になる展開なんだけど、
各人物をそれほど深く描いているわけでもないし、
ミステリとしても驚愕の展開というものではなかった。
これなら大学生二人に焦点を絞ったほうが良かったんじゃないかなぁ。
普通の作者ならなかなかかもしれないけど、
東野圭吾の作品でこれは物足りなかった。
特別ダメなところはないけど、小さくまとまっちゃってる作品だった気がします。
【おすすめ度】
★★★☆☆