「獣の奏者」上橋菜穂子

【あらすじ】
獣ノ医術師の母と暮らす少女、エリン。
ある日、戦闘用の獣である闘蛇が何頭も一度に死に、その責任を問われた母は処刑されてしまう。
孤児となったエリンは蜂飼いのジョウンに助けられて暮らすうちに、山中で天を翔ける王獣と出合う。
その姿に魅了され、王獣の医術師になろうと決心するエリンだったが、
そのことがやがて王国の運命を左右する立場にエリンを立たせることに…。
【感想】
架空の王国を舞台としたファンタジー
運命に巻き込まれていく少女を描いた物語。
全部で、1.闘蛇編、2.王獣編、3.探求編、4.完結編、外伝、の5冊刊行されていて、
1の闘蛇編と2の王獣編でひとまずまとまっているのでそこまでで感想を。
最高でした。
これぞ記憶に残る作品です。
幼いエリンを辛い運命が襲いますが、
そのあとの山や王獣と接する暮らしは幸せそのもの。
エリンが笑顔を取り戻し、いろんなことを発見して知っていくたびに、
読者である自分までその発見にドキドキワクワクしてしちゃうんですよ
未知を知る喜びがいっぱい詰まってます。
そして成功を収めたときなんて一緒に泣きそうになっちゃいました。
それくらい入り込めてしまう。
死が絡まなくても感動して涙ぐむほどのパワーがあります。
ページをめくる手が止まらない。
そしてそのあとに待ち受ける展開。
なぜ理想を求めてはいけなかったのか、なぜこの国はこうなのか、と、
国の在り方を巡る動きにエリンは巻き込まれていきます。
一気に最後まで読んでしまいました。
飯も食わずに没頭していたのは久しぶりです。
それほど面白かった。
是非読んでください。
傑作です。
【おすすめ度】
★★★★★

獣の奏者 I 闘蛇編獣の奏者 I 闘蛇編
上橋 菜穂子

講談社
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