「リピート」乾くるみ

【あらすじ】
もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら?
この夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。
ところがやり直した人生で、以前は起きなかった事件が起こりはじめ・・・
【感想】
今の記憶を保持したまま過去に戻れたら?を描いたサスペンス。
設定だけ聞くと過去に戻った人を主人公としたSFなのだが、
この作品の肝はそれが集められた集団であること。
風間という男に集められた見知らぬ9人が過去に戻れることを告げられる。
そんな状況で彼らはどうするのか。
信じるのか、信じないのか、戻るのか、戻らないのか、何をするのか。
まずここが面白い。
そして実際に戻ったあとも面白い。
やり直す前には起きなかったことが次々と起きていく。
いったい何が起きていて、原因は誰にあるのか、なぜなのか。
そのおかしさは自分たちにしかわからないし、誰にも相談できない。
このミステリ、サスペンス風の展開もすばらしい。
どうなってしまうのかとページをめくる手が止まりません。
そして怒涛の展開を迎える終盤とあのラスト。
読後感も満足いくものでした。
最後まですばらしかった。おすすめです。
この人の他の作品も読んでみようと思います。
【おすすめ度】
★★★★★

リピート (文春文庫)リピート (文春文庫)
乾 くるみ

文藝春秋
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