「破線のマリス」野沢尚

【あらすじ】
首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑤子は、
虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。
彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった!?
事故か、他殺か、一本のビデオから始まる、超一級の「フー&ホワイダニット」。
第43回江戸川乱歩賞受賞の傑作ミステリ。
【感想】
ミステリというには若干抵抗がある内容です。でも一応ミステリなのかな。
この作品のテーマはマスコミの主観と映像による恐怖、でしょうか。
主人公の女性はテレビの映像編集者。
ある一本のビデオの映像に主観による判断が加わったことにより新たな物語を生まれる。
報道とは?真実とは?が問われる作品。
10年前の作品ではありますが、マスコミの偏向報道だーなんてネットで騒がれてるのを見ると、
今も十分旬な作品だと思います。
読み始めると一気に引き込まれます。
ポイントはやはり主観の不確かさ。
それは報道の意味でもそうですが、物語全体のテーマにもなっています。
非常に面白い作品です。おすすめ。
【おすすめ度】
★★★★★

破線のマリス (講談社文庫)
破線のマリス (講談社文庫)野沢 尚

おすすめ平均5つ星のうち3.5
5つ星のうち5.0ニュースを鵜呑みにしてはいけない。
5つ星のうち5.0サスペンスの衣を着せた自らの毒
5つ星のうち4.0うーん、最後の落ちはどうなんでしょうか
5つ星のうち4.0ぞっとする
5つ星のうち5.0放送被害


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