「レディ・ジョーカー」高村薫

【あらすじ】
「要求は20億。人質は350万klのビールだ。
金が支払われない場合、人質は死ぬ。話は以上だ。」
一兆円企業・日之出麦酒を狙った未曽有の企業テロはなぜ起こったか。
男たちを呑み込む闇社会の凄絶な営みと暴力を描く。
【感想】
ビール会社を狙った誘拐事件が起き、人質はビールだと脅される。
企業、警察、犯人、報道、のそれぞれから事件に迫る話。
これはすごかった。まさに傑作。
前半100ページは正直だるい。
でもそれを乗り越えて、誘拐事件が始まってからは本当にすばらしかった。
しかも単なる誘拐事件の話じゃないんですよ。
事件が犯人の思惑すら超えて回り出して、
誰にも止められない流れになる。
整理不可能なくらいいろんなものが絡み合って、何も見えなくって、
社会のグロテスクさを感じさせてくれた。
まさに社会の闇。
こんな本が書けるとは・・・
確かにこれは傑作です。
是非読むべき一冊。
【おすすめ度】
★★★★★

レディ・ジョーカー〈上〉
レディ・ジョーカー〈上〉高村 薫

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