「盤上の敵」北村薫

【あらすじ】
我が家に猟銃を持った殺人犯が立てこもり、
妻・友貴子が人質にされた。
警察とワイドショーのカメラに包囲され、
「公然の密室」と化したマイホーム!
末永純一は妻を無事に救出するため、
警察を出し抜き犯人と交渉を始める。
はたして純一は犯人に王手をかけることができるのか?
誰もが驚く北村マジック。
【感想】
家に立てこもられ、妻を人質に取られる夫の話。
犯人を黒のキング、主人公の白のキング、妻を白のクイーンに見立てて話が進む。
犯人のある発言にドキッとさせられたし、
事件の意外な展開などどんでん返しもある。
でもそれ以上に印象に残ってしまったのが回想部分。
これがけっこうボリュームがある上にひどい。辛い。
ミステリというには深く描かれすぎていて、
読んでいて苦しくなる。
そのせいで後味もあまりよくなかった。
ドキドキのサスペンス風だけど、
本当に描きたかったのは人の悪意や愛のような気がします。
そのつもりで読んでいればよかったのかも。
【おすすめ度】
★★☆☆☆

盤上の敵 (講談社文庫)
盤上の敵 (講談社文庫)北村 薫

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