「サウスバウンド」奥田英朗

【あらすじ】
小学校6年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。
誰が聞いても変わってるという。父が会社員だったことはない。
物心ついた頃からたいてい家にいる。
父親とはそういうものだと思っていたら、
小学生になって級友ができ、よその家はそうではないことを知った。
父は昔、過激派とかいうのだったらしく、
今でも騒動ばかり起こして、僕たち家族を困らせるのだが…。
【感想】
元過激派な父を持つ小学生が主人公。
前半は東京での生活、そして後半は別の土地での生活が描かれます。
変な父親を持ってしまった家族の話。
前半は変な父親に少しイライラします。
でもあらすじから想像していたほどじゃない。
他の事件にプラスして父親が語られるから、それほど気にならないで済む。
父親中心の描写が続いたら投げそうだけど。
そして後半は父親への印象が変わる。
子供から見た父親も変わってるし、
読んでる私もこの父親が大好きになってくる。
前半からは信じられない!
あくまで父親を見てる家族の話なんだけど、
全体的にキャラが立ってて、しかも子供視点で子供の生活が楽しいから、
話にのめりこんですらすらと楽しく読むことができました。
ただこの両親の思想には賛成できないけどなぁ。
迷惑かけてるだろうと。
作品としては良作です
【おすすめ度】
★★★★☆

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)
サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)奥田 英朗

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