「虚無への供物」中井英夫

【あらすじ】
昭和29年の洞爺丸沈没事故で両親を失った
蒼司・紅司兄弟、従弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。
密室状態の風呂場で紅司が死んだのだ。
そして叔父の橙二郎もガスで絶命―殺人、事故?
駆け出し歌手・奈々村久生らの推理合戦が始まった。
【感想】
日本ミステリの三大奇書の一つ、らしいです。
そしてあるジャンルに属する作品なのですが、
これがそういう作品だということを知りませんでした。
知っていたらだいぶ読み方が違ったのかも。
内容は密室密室とにかく密室。
素人探偵達が推理合戦を繰り広げるのですが、
その時出てくるトリックだけで小説が5冊くらい書けそうなくらい密室。
新しいアイディアが出てくるたびにくるくると景色が変わっていき、
そのたびにはぐらかされる。
そういう意味ではまさにタイトル通りの作品。
しかも長い。
エンターテイメント性のある作品ではないので、
恐ろしく長く感じます。
途中からやっと作品の意味がわかりましたが、
普通のミステリだと思って読み始めていたので、だいぶげんなりした後でした。
面白かったか?と問われればNOですが、
傑作と呼ばれている意味はなんとなくわかりました。
ただし人を選ぶ作品だと思います。
【おすすめ度】
★★☆☆☆

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)
中井 英夫

講談社
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