「悪の教典」貴志祐介

【あらすじ】
学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。
ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。
【感想】
高校が舞台。人気者であらゆる能力に優れた教師がいる。
しかしその実像は、という話。
一気に読めて面白かったけど、
貴志祐介の作品の中では・・・という内容でした。
坂道を転がり落ちるようにどんどん加速度的に進んで行くので、
ページ数は多くても一気に読めてしまいます。
そこは良いところ。
ただ主人公の性格のせいもあるのですが、
全体的に淡々としていて緊張感が薄い。
あと中盤以降のインフレした状況で現実感がなくなってしまい、
どこがゲームのような印象を受けてしまいます。
これまでの貴志祐介の作品を考えると、
もっと緊張感があって怖い作品にできた気がするのに・・・
惜しいです。
貴志祐介作品の中では優先度は低め。
これがこのミステリーがすごいで1位ってのはどうなんだろう・・・
【おすすめ度】
★★★☆☆

悪の教典 上悪の教典 上
貴志 祐介

文藝春秋
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