「黒いトランク」鮎川哲也

【あらすじ】
汐留駅でトランク詰めの男の腐乱死体が発見され、
荷物の送り主が溺死体となって見つかり、
事件は呆気なく解決したかに思われた。
だが、かつて思いを寄せた人からの依頼で九州へ駆けつけた鬼貫の前に
青ずくめの男が出没し、アリバイの鉄の壁が立ち塞がる……。
作者の事実上のデビューであり、戦後本格の出発点ともなった里程標的名作!
【感想】
本格ミステリ
事件の概要はあらすじの通りだが、
トリックがすばらしい。精密に組み上げられています。
手がかりもパズル的に与えられていて、
時刻表や行動一覧表まである。
というわけで真剣に考えていけば非常に面白いんだけど、
考えずにサーっと読んでしまうとあまり楽しめないかもしれない。
私は一応考えながらは読んでいたのですが、
読了後に、もっと考えればよかった・・・とも思いました。
もったいないことをしてしまった。
緻密なトリックや、考えるのが好きな方には傑作であろう作品です。
逆に物語性を求める方には普通程度になってしまいそう。
謎を解いてやるぜ!って気分のときに読んでみてください。
【おすすめ度】
★★★★☆

黒いトランク (創元推理文庫)黒いトランク (創元推理文庫)
鮎川 哲也

東京創元社
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