「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦

【あらすじ】
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、
夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。
けれど先輩の想いに気づかない彼女は、
頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。
そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。
【感想】
とても独特な本。 ストーリー云々よりも、この世界に浸ることを楽しむ作品だと思う。
一応恋愛もので、ふわふわ天然な女の子と、その子に恋焦がれる男が中心。
話は男女二人の視点が話ごとに交互に繰り返されるんだけど、
その言葉も心の声も、全部大げさでもったいつけた言い回しなせいで、 
すごく独特な作品世界が形成されます。
独特・・・としか表現できないんだけど、この雰囲気は悪くない。
正直内容はそう面白いわけじゃないんです。
でもこの雰囲気のせいで、世界に酔いしれるというか、ふわふわ夢ごこちというか、
そんな感覚が楽しい。
本当に不思議な本です。売れたのも納得。
この世界を味わってみるのもいいと思います。ダメな人はすぐ投げると思いますが。
ちなみに文化祭の話が一番好きでした。あの設定はユニークだ。
【おすすめ度】
★★★★☆

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見 登美彦

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