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「旅猫リポート」有川浩

【あらすじ】 さあ、行こう。これは僕らの最後の旅だ。 一人と一匹が見る美しい景色、出会う懐かしい人々。 心にしみるロードノベル。 【感想】 猫の視点も交えて描かれる、飼い主と友人達の心温まる物語。 猫を飼い続けられなくなった主人公が、猫と一緒に…

「七人の鬼ごっこ」三津田信三

【あらすじ】 「西東京生命の電話」にかかってきた自殺志願者からの電話。 男から電話を受けたかつての幼馴染たちが、ひとり、またひとりと・・・ 【感想】 幼なじみが次々と殺されていく連続殺人もの。面白かった。 まず導入部が見事。 あらすじにもある通…

「山魔の如き嗤うもの」三津田信三

【あらすじ】 忌み山で続発する無気味な謎の現象、 正体不明の山魔、奇っ怪な一軒家からの人間消失。 刀城言耶に送られてきた原稿には、山村の風習初戸の“成人参り”で、 恐るべき禁忌の地に迷い込んだ人物の怪異と恐怖の体験が綴られていた。 【感想】 刀城…

「眩暈」島田荘司

【あらすじ】 切断した男女の死体が合成され両性具有者となって蘇る。 窓の外には荒涼たる世界の終焉の光景が広がっているばかりだ。 「占星術殺人事件」を愛読する青年が書きのこした戦慄の日記がさし示すものは何か。 醜悪な現実世界に奇想の作者が驚天動…

「水晶のピラミッド」島田荘司

【あらすじ】 エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。 冥府の使者アヌビスが500年の時空を超えて突然蘇り、 空中30メートルの密室で男が溺死を遂げる。 アメリカのビッチ・ポイントに出現した現代のピラミッドの謎に挑む名…

「ぼくのメジャースプーン」辻村深月

【あらすじ】 大切な人なあの子を救うため、 ぼくは何をすればいいのか。 そんなぼくの7日間を描いた物語。 【感想】 主人公は小学生の男の子なんだけど、 同級生のふみちゃんという子をすごく大切に思ってるんです。 でも序盤にある事件が起きて、そのふみ…

「永遠の仔」天童荒太

【あらすじ】 霧の霊峰で一人の少女・久坂優希と二人の少年が起こした聖なる事件。 その秘密を抱えたまま別れた三人が、17年後再会した。 そして過去を探ろうとする弟の動きと殺人事件の捜査によって優希の平穏な日々は終わりを告げた-。 【感想】 子供のこ…

「ナミヤ雑貨店の奇跡」東野圭吾

【あらすじ】 夢をとるか、愛をとるか。現実をとるか、理想をとるか。 人情をとるか、道理をとるか。家族をとるか、将来をとるか。 野望をとるか、幸せをとるか。 あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。 しかしその正体は…。 物語が完結するとき、人知…

「果断」今野敏

【あらすじ】 長男の不祥事により所轄へ左遷された竜崎伸也警視長は、 着任早々立てこもり事件に直面する。 容疑者は拳銃を所持。事態の打開策をめぐり、現場に派遣されたSITとSATが対立する。 異例ながら、彼は自ら指揮を執った。 そして、この事案は解決し…

「カラスの親指」道尾秀介

【あらすじ】 人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。 ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。 やがて同居人は増え、5人と1匹に。 「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。 各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画…

「ラットマン」道尾秀介

【あらすじ】 結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、 ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。 次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。 事件の真相が判明したとき、亮が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まさ…

「奇面館の殺人」綾辻行人

【あらすじ】 奇面館主人・影山逸史に招かれた六人の男たち。 館に伝わる奇妙な仮面で全員が“顔”を隠すなか、 妖しく揺らめく“もう一人の自分”の影…。 季節外れの吹雪で館が孤立したとき、“奇面の間”に転がった凄惨な死体は何を語る? 前代未聞の異様な状況下…

「シャイロックの子供たち」池井戸潤

【あらすじ】 ある町の銀行の支店で起こった、現金紛失事件。 女子行員に疑いがかかるが、別の男が失踪…!? “たたき上げ”の誇り、格差のある社内恋愛、家族への思い、 上らない成績…事件の裏に透ける行員たちの人間的葛藤。 銀行という組織を通して、普通に働…

「ヒア・カムズ・ザ・サン」有川浩

【あらすじ】 出版社で編集の仕事をしている真也は、 幼い頃から物や場所に残された人の記憶が見えた。 ある日に空港に行った真也はそこで同僚のカオルの父親と出会う。 しかし映画の脚本家だというその父親からは、 全く別の記憶が見えた。 【感想】 わずか…

「夢違」恩田陸

【あらすじ】 「何かが教室に侵入してきた」 学校で頻発する、集団白昼夢。 夢が記録されデータ化される時代、 「夢判断」を手がける浩章のもとに夢の解析依頼が入る。 悪夢は現実化するのか? 戦慄と驚愕の幻視サスペンス。 【感想】 夢が映像として記録で…

「ほどけるとける」大島真寿美

【あらすじ】 泡のような日々は、ふわふわと。 どうにも先が見えなくて、めんどくさくて、将来の夢もわからない……。 高校を突発的に中退し、祖父が経営する銭湯を手伝う少女が、 常連客との交流や淡い恋を経て、夢を見いだしていく。 ほわほわとあたたかな物…

「今夜は眠れない」宮部みゆき

【あらすじ】 家族の絆を僕が取り戻す! サッカー少年の僕と両親、平凡なはずの一家に突如暗雲が。 伝説の相場師が、なぜか母さんに5億円の遺産を残したことから、 一家はばらばらに。 僕は友人と真相究明に乗り出した。 【感想】 突然5億円の遺産を送られた…

「猫を抱いて象と泳ぐ」小川洋子

【あらすじ】 伝説のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの、 ひそやかな奇跡を描き尽くした、せつなく、いとおしい、 宝物のような長篇小説 【感想】 小さなチェス棋士・リトル・アリョーヒンの物語。 バスの人からチェスを教えてもらって、 大きくなる…

「西の魔女が死んだ」梨木香歩

【あらすじ】 中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、 季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。 西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、 まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、 …

「民王」池井戸潤

【あらすじ】 国会騒然…!日本の政治はいったいどこへいってしまうのか!? 胸がスカッとする痛快エンタメ政治小説。 【感想】 総理大臣とそのバカ息子の中身が入れ替わってしまう話。 この設定からわかるように軽くて楽しい話です。 著者の他の企業小説と比べ…

「果つる底なき」池井戸潤

【あらすじ】 「これは貸しだからな」 謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。 死因はアレルギー性ショック。 彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった……。 坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、 伊木はただ1人…

「6時間後に君は死ぬ」高野和明

【あらすじ】 6時間後の死を予言された美緒。 他人の未来が見えるという青年・圭史の言葉は真実なのか。 美緒は半信半疑のまま、殺人者を探し出そうとするが―刻一刻と迫る運命の瞬間。 血も凍るサスペンスから心温まるファンタジーまで、 稀代のストーリーテ…

「獣の奏者・外伝」上橋菜穂子

【あらすじ】 エリンとイアルの同棲時代、師エサルの若き日の苦い恋、息子ジェシのあどけない一瞬……。 本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた! 【感想】 最後に出た外伝。 イアルとエリンの恋と、エサルの過去。 本編では明かさ…

「午前三時のルースター」垣根涼介

【あらすじ】 旅行代理店に勤務する長瀬は、 得意先の中西社長に孫の慎一郎のベトナム行きに付き添ってほしいという依頼を受ける。 慎一郎の本当の目的は、家族に内緒で、失踪した父親の消息を尋ねることだった。 サントリーミステリー大賞受賞作。 【感想】…

「彼女がその名を知らない鳥たち」沼田まほかる

【あらすじ】 八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、 淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。 下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。 そんなダメな二人が繰り広げる愛の物語。 【感想】 不快な…

「スリープ」乾くるみ

【あらすじ】 目覚めると、そこは30年後の世界だった。 『イニシエーション・ラブ』『リピート』に続き、今度は未来へ… 【感想】 主人公がが意識を取り戻すとそこは30年後の世界だった・・・。 そこに至るまでとそれからが描かれるミステリ風の作品。 こうい…

「エデン」近藤史恵

【あらすじ】 あれから三年―。 白石誓は、たった一人の日本人選手として、 ツール・ド・フランスの舞台に立っていた。 だが、すぐさま彼は、チームの存亡を賭けた駆け引きに巻き込まれ、 外からは見えないプロスポーツの深淵を知る。 そしてまた惨劇が…。 こ…

「夜市」恒川光太郎

【あらすじ】 妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。 ここでは望むものが何でも手に入る。 再びここを訪れた祐司の目的は・・・。 【感想】 表題作の夜市と風の小道の二編からなるホラー短編。 といってもホラーという印象はあまりなかった。 日…

「噂」荻原浩

【あらすじ】 「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。 でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」 香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。 口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。 販売…

「あかんべえ」宮部みゆき

【あらすじ】 江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終ろうとしていた。 主人の太一郎が胸を撫で下ろした矢先、 突然、抜き身の刀が暴れ出し、座敷を滅茶苦茶にしてしまう。 亡者の姿は誰にも見えなかった。 しかし、ふね屋の十二歳の娘おり…