「明日の記憶」荻原浩

【あらすじ】
知っているはずの言葉がとっさに出てこない。
物忘れ、頭痛、不眠、目眩――告げられた病名は若年性アルツハイマー
どんなにメモでポケットを膨らませても確実に失われていく記憶。
そして悲しくもほのかな光が見える感動の結末。
上質のユーモア感覚を持つ著者が、シリアスなテーマに挑んだ最高傑作。
【感想】
アルツハイマーになった主人公を描いた物語。
荻原浩の作品から適当に何冊か選んだ中の一冊でした。
あらすじは読んでなかったのですが、もし知っていたら読んでなかったと思います。
難病ものや障害ものはすごく苦手です。
そういう苦しみがあることはわかりますが、苦しくなるばかりで・・・・。
この作品もアルツハイマーの恐ろしさ、記憶が失われる恐怖、
その家族の苦しみ、壊れていく今までの自分、と、
リアルに、哀しくなるほど、アルツハイマーのことが描かれています。
評価が非常に高いだけあって、病気を描いた作品としてはとてもよくできていると感じました。
だからこそ本人や家族に共感してしまって苦しくなるのですが・・・。
また治らないと言われる難病なのでハッピーエンドではないのですが、
その中であのラストの描き方も見事だと思います。
ただやっぱり・・・読んでて辛かった。
こういう作品が苦手ではない方には良作だと思います。
私には向いてませんでした。
【おすすめ度】
★★☆☆☆

明日の記憶 (光文社文庫)明日の記憶 (光文社文庫)
荻原 浩

光文社
売り上げランキング : 15986

Amazonで詳しく見る by AZlink