「夜市」恒川光太郎
【あらすじ】
妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。
ここでは望むものが何でも手に入る。
再びここを訪れた祐司の目的は・・・。
【感想】
表題作の夜市と風の小道の二編からなるホラー短編。
といってもホラーという印象はあまりなかった。
日常の裏側にある幻想的な物語とでも言うんでしょうか。
夜市は何でも手に入る不思議な市場に迷い込むという、
そんなありがちな設定から話は展開していくんだけど、
あるところから思ってもみない方向へと話が進んでいく。
そんな前半と後半の、幻想と現実のバランスが何とも気持ちいい。
あと風の小道にも言えることだけど、
全体の雰囲気作りがすごくうまい。
世界のリアリティを強く感じられた。
グロさも怖さもないので安心して読めると思います。
良作。
【おすすめ度】
★★★★☆
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