「ジェノサイド」高野和明

【あらすじ】
大学院生・研人のもとに死んだ父からのメールが届く。
傭兵・イエーガーは不治の病を患う息子のために、
コンゴ潜入の任務を引き受ける。
二人の人生が交錯するとき、驚愕の真実が明らかになる――。
【感想】
日本の大学院生と、アフリカに潜入する傭兵たちを中心に描かれる物語。
エンターテインメント小説というのかサスペンスというのか・・・。
とにかくすごい作品でした。傑作です。
物語は冒頭の2つの視点が交互に描かれるんだけど、
最初は本当に全く関係が見えません。
日本の大学院生は、死んだ父が残した謎のメッセージの通りに動き始めるのですが、
調べているうちに徐々に不穏な展開になっていきます。
サスペンス的な展開です。
一方で傭兵たちは疑問点の多いミッションを受け、
そのミッションをアフリカの奥地で達成しようとしていきます。
こっちは戦争小説やエンターテインメント小説といったところでしょうか。
そして途中からこの両者が徐々に繋がっていくのですが、
そこからの展開はもう見事としか言いようがありません。
しかもただ繋がるだけじゃないんですよ。
あらゆることが繋がっていく。
あれも!?え?これも!?っていう驚きがいっぱいです。
あとからでしかわからない伏線が山のようにあります。
そして中盤以降の怒涛の展開に、満足の行く結末。
これで面白くないわけがない!
600ページ近い作品ですが、
面白さや読みやすさという点では苦痛なく読めてしまうはずです。
是非読んでみてください。
傑作です。
手にとってみて良かった。
【おすすめ度】
★★★★★

ジェノサイドジェノサイド
高野 和明

角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング : 238

Amazonで詳しく見る by AZlink