「ヒートアイランド」垣根涼介

【あらすじ】
渋谷でファイトパーティーを開き、
トップにのし上がったストリートギャング雅。
頭のアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金を見て驚愕する。
それはヤクザが経営する非合法カジノから、
裏金強奪のプロフェッショナルの男たちが強奪した金だった。
少年たちと強奪犯との息詰まる攻防を描いた傑作ミステリー。
【感想】
組織化され、興行で金を稼いでいたストリートギャングが、
思わぬトラブルに巻き込まれていくサスペンス。
ストリートギャングって言葉にあんまり馴染みがないけど、
作中では頭がキレてグレーなビジネスをする少年たちってところでしょうか。
少年ではありますがカッコいい悪党たちです。
で、順調に稼いでいた彼らですが、思わぬことでトラブルに巻き込まれ、
プロの強盗団とヤクザも加わって、
お互いがお互いを付け狙う様相を呈してきます。
ここからの展開は面白い。一気に読めてしまいます。
主人公たちも強盗団たちもキレ者揃いだから、
わずかな手がかりからスタートしたのに、
お互いがあっという間に相手にたどり着いていく。
そしてそこからの決着がもう・・・
先がどうなるか読めなくてドキドキしちゃいました。
唯一欠点を上げるなら、登場人物がやや多くてキャラ立ちが弱かったことですが、
そんなことは気にならないくらい楽しい作品でした。
ラストも満足です。
おすすめ!
ただこの前読んだ同じ作者のワイルドソウルと比べるなら、
深みがある分ワイルドソウルのほうが好きかな。
どっちも読んで欲しい作品ですけどね。
【おすすめ度】
★★★★★

ヒートアイランド (文春文庫)ヒートアイランド (文春文庫)
垣根 涼介

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