「妊娠カレンダー」小川洋子

【あらすじ】
姉が妊娠した……やがて妹はめまいのするような悪意の中へすべりこんで行く。
現実のゆらぎをきらめく言葉で定着した芥川賞受賞作。
【感想】
妊娠カレンダー、ドミトリイ、夕暮れの給食室と雨のプール、の3つから成る短編集。 
博士の愛した数式」の作者だったので、ああいうタイプの作品かと思ったら全く違いました。
印象としてはリアルで幻想的で怖い、です。
日常の中の怖さや歪みを描いた作品とでも言うんでしょうか。
妊娠カレンダーは妊娠した姉とその妹の話で、
妹がグレープフルーツジャムを作るのですが、その心情が・・・。
ゾクッとします。
かなり引き込まれるものはあるんですが、
とにかく黒くて怖いという印象が強かったです。
怖さで言えばドミトリイのほうが怖かったですが。
あと夕暮れの給食室と雨のプールは幻想的でした。
全体として心に残るんですが面白いかどうかはわからない・・・。
そんな作品でした。
【おすすめ度】
★★★☆☆

妊娠カレンダー (文春文庫)妊娠カレンダー (文春文庫)
小川 洋子

文藝春秋
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