「グレイヴディッガー」高野和明

【あらすじ】
都会の闇を生きてきた悪党・八神俊彦は、運命の一日を迎えるはずだった。
生き方を改めるため、自ら骨髄ドナーとなり白血病患者の命を救おうとしていたのだ。
ところがその日、都内で未曾有の無差別大量殺人が発生。
大都市・東京は、厳戒態勢に突入した。
そして友人の死体を発見した瞬間から、八神の必死の逃走劇が始まった。
八神は生き残れるのか? 謎の殺戮者・グレイヴディッガーの正体とは?
著者渾身のスリラー巨編が、ついにその全貌を現す!
【感想】
骨髄移植のドナーとなろうとした男・八神が狙われるサスペンス。
すばらしかった。夢中で一気に読んでしまった。
話の主観は事件を捜査する刑事と、八神とで構成されてるんだけど、
この八神側の展開がすごい。
警察に追われるわ、殺人犯らしきやつらに追われるわで、
息をつくヒマもないほど忙しい。ドキドキハラハラの展開が続く。
特に後半はすごいです。
もちろん刑事側の捜査も進んでいって、徐々に事件の真相が明らかになっていくんだけど、
その真相もあっちかと思ったらこっちという具合に翻弄されて、
最後には驚きの展開が待ってました。
結末も文句なしにすばらしかった。
ミステリというよりエンターテインメント性の強い作品だったけど、
勢いがすさまじいしテンポもいいので一気に読めてしまうと思います。
話の広げ方や一部の死に、あれ?ってとこもありますが、
物語のスピード感で十分カバーされている印象です。
おすすめ!
ジェノサイドが気に入った人はたぶん好きになれると思います。
【おすすめ度】
★★★★★

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高野 和明

講談社
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