「女王国の城」有栖川有栖

【あらすじ】
舞台は、急成長の途上にある宗教団体“人類協会”の聖地、神倉。
大学に顔を見せない部長の江神二郎を探して、
いつもの4人が“城”と呼ばれる人類協会の総本部を訪れる。
そこで思いがけず殺人事件に直面して・・・
江神シリーズ待望の書き下ろし第四長編
【感想】
宗教団体の城で起きる殺人事件。読者への挑戦もの。
今回も今まで同様に閉鎖された空間で事件が起きます。
もちろん犯人も限られた中にいて、
その中で江神やアリスたちの推理が始まって・・・という流れ。
ただ今回は正直言って長く感じました。
最後には犯人につながる唯一の解答が見えるんだけど、
この長さの割にはちょっと物足りなさを感じます。
もちろん全く無関係に思えるものが繋がっていく爽快感は得られるんですよ。
ただそこにたどり着くまでが長かった。
犯人候補も限られてるようでけっこう人数がいたせいで、
ちょっと緊迫感が薄かったのも影響してるかもしれません。
特に前半をもっと削って欲しかったかなぁ。
ただシリーズものとして考えれば、
みんなの活躍や関係の変化が見られたりして満足いくものでした。
あと閉鎖空間の作り方も斬新。
ちなみに今回自力で推理できたのは、
凶器の入手方法から犯人を限定できることくらいでした。
やっぱり完全解明は難しい。
【おすすめ度】
★★★☆☆

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