「鉄の骨」池井戸潤

【あらすじ】
談合。謎の日本的システムを問う感動大作!
建設現場から“花の談合課”へ。
若きゼネコンマン富島平太は、会社倒産の危機に役立てるか。
大物フィクサーとの出会いの真相は――
この一番札だけは、譲れない。
【感想】
ゼネコンの談合を巡る物語。
面白かった。大満足です。
主人公の平太が談合を行ってる部署に異動されて始まるんだけど、
最初は談合に絶対反対していた平太が、
談合は必要悪なんじゃないか、と考え始め、揺れ続けます。
この悩みがこの物語の中心です。
そしてこの平太を中心に、ゼネコン各社とのやり取り、
業界のフィクサーと呼ばれる男、融資している銀行、
更に談合を摘発しようとする検察が絡んできて、
息つく間もなく物語は展開します。
最後まで一気に読めちゃうし、ラストも文句ありません。
そして建設業界のリアルさもすばらしいです。
建設業界の実情が生々しく描かれていて、
なぜ談合があるのかがよく理解できるし、
談合が必要悪だという考え方にも共感できてしまうほどです。
敢えて比べるなら空飛ぶタイヤのほうが深みがありましたが、
この作品も十分楽しめました。
おすすめです。
【おすすめ度】
★★★★★

鉄の骨 (講談社文庫)鉄の骨 (講談社文庫)
池井戸 潤

講談社
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