「山魔の如き嗤うもの」三津田信三

【あらすじ】
忌み山で続発する無気味な謎の現象、
正体不明の山魔、奇っ怪な一軒家からの人間消失。
刀城言耶に送られてきた原稿には、山村の風習初戸の“成人参り”で、
恐るべき禁忌の地に迷い込んだ人物の怪異と恐怖の体験が綴られていた。
【感想】
刀城言耶シリーズの4作目。
成人参りの儀式で迷ってしまった人物が出会った不思議な事件。
そしてその話を聞いて訪れた刀城の前で事件が・・・という話。
今回もホラーとミステリの融合は健在。
導入部分の成人の儀式で一気に引き込まれるし、怖さを感じさせてくれる。
ただそのあとはあまり雰囲気に浸れなかった。
今回は儀式や伝承自体には謎がないせいで、
これまでの三作のような伝承の秘密を解き明かしていく部分がない。
(ゼロではないんだけど)
そのせいで刀城は事件自体の捜査をメインに進めてたから、
ミステリ色が強めになっていた気がする。
面白かったけど、これまでに比べるとちょっと物足りなかったかな。
もっとどっぷり浸りたい!
【おすすめ度】
★★★★