「凶鳥の如き忌むもの」三津田信三

【あらすじ】
瀬戸内海の兜離の浦沖に浮かぶ鳥坏島。
鵺敷神社の祭壇“大鳥様の間”で巫女、朱音は神事“鳥人の儀”を執り行う。
怪異譚蒐集の為、この地を訪ねた刀城言耶の目前で、謎の人間消失は起きた。
大鳥様の奇跡か?鳥女と呼ばれる化け物の仕業か?
『厭魅の如き憑くもの』に続く“刀城言耶”シリーズ第二長編。
【感想】
刀城シリーズの2作目。
鳥人の儀と呼ばれる秘儀の中で起きた人間消失。
何が起きたのか。そして鳥人の儀とは何なのか、を追う物語。
面白かった。
どうやら自分はこのシリーズの世界観にはまってしまったようです。
これで3冊目ですが、事件が起きる前から面白くて面白くて。
閉鎖的な土地、密かに伝わる秘儀や秘密、それが全貌が徐々に見えてくるワクワク感、
そしてそれが事件と共に解き明かされる様はたまりません。
今回もそうです。
今回は孤島が舞台で日常パートもほぼないため、サスペンス色が強く、
また儀式そのものが事件とも言っていい内容になっているので、
この儀式ってなんだ、なんでこうなるんだ、どこまで続くんだ、
と今までよりも続きが気になる展開になっています。
読みやすかったし我慢できなくて一気に読んでしまいまいた。
ミステリとして読むよりも、この世界、物語に没頭して読むのが一番楽しめると思います。
【おすすめ度】
★★★★★