「三月は深き紅の淵を」恩田陸

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)
三月は深き紅の淵を (講談社文庫)恩田 陸

おすすめ平均5つ星のうち4.0
5つ星のうち2.0読み終えられませんでした
5つ星のうち5.0恩田陸の原点にして傑作。何度も読み返したい
5つ星のうち2.0恩田陸ファン向け
5つ星のうち4.0「物語」への飽くなき憧憬
5つ星のうち4.0作者の長い自己紹介のような


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【あらすじ】
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。
彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、
その屋敷内にあるはずだが、十年以上探しても見つからない稀覯本『三月は深き紅の淵を』の話。
たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。

【感想】
4章で構成されておりそれぞれ全く異なる話でありながら、 
「三月は深き紅の淵を」という一冊の本に関わる話。 
それほど複雑な話ではないけど、
「三月は深き紅の淵を」って何だ?と考え出すと内と外の構造が複雑で少し混乱する。 

どの章も面白く甲乙つけがたいけど、 
あえて言うなら一章のさわやかさと三章の神秘的なところと話の展開の仕方が好きかな。 
どうも私は恩田陸作品によく出てくる、神秘的なキャラに弱いようだ。

ちなみにこの本は三月シリーズの中心となる本で、
この後に麦の海に沈む果実や黒と茶の幻想が控えている。
後の2冊は傑作なので是非読んでいただきたいけど、
その前段階として是非「三月は深き紅の淵」もおすすめしたい。
【おすすめ度】
★★★★☆