「告白」湊かなえ

【あらすじ】
愛美は事故で死んだのではありません。
このクラスの生徒に殺されたのです。
第29回小説推理新人賞受賞。

【感想】
あらすじのように先生がクラスの子達に"告白"するところから物語ははじまります。
そして章ごとに違う誰かが"告白"していく。

まず構成が面白いです。
タイトルの通り、全ての章が誰かの一人語り(=告白)で、会話は一切ない。
だからとても淡々としているし、感情的にもなっていない。
読者からすると過去を回想しているような距離の遠さがあります。
でもそれがこの話の不気味さを演出してるし、
逆に距離が遠いことで話の悲劇さや陰惨さを感じさせないようになってるんですよね。

そして伏線が気持ちいい。
あんまり言うとネタバレになるので書きませんが、
さりげないことが伏線になっていることが何度もある。
そのたびにちょっとずつ作者のペースに乗せられて行く。

ひどい事件なので気分は暗くなっていくのに、
気持ちが乗ってきてゾクゾクしてくるという不思議な気持ちを味わいました。

というわけで新鮮な本だったので賞をいろいろ取るのも納得の出来でした。
ただ内容(ストーリー)は私にとっては少し若すぎたかもしれません。
思考が突っ走りやすく、自暴自棄な、いわゆる"若い"雰囲気が作品全体から感じられます。
高校の頃の私だったら間違いなく★5だったと思いますが、
30も見えてきた今となってはそこが気になってしまいますね。
20台前半くらいの人にはまだおすすめできそうですが、
年をとればとるほど苦手な人が増えていきそうな作品です。

【おすすめ度】
★★★★☆

告白
告白湊 かなえ

おすすめ平均5つ星のうち3.5
5つ星のうち5.0後味悪いのもいいと思います
5つ星のうち4.0考え出すと…。
5つ星のうち3.0早く続きが読みたくなる作品でした。
5つ星のうち5.0第一章の驚愕のラスト
5つ星のうち2.0読者を取り込むが……


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