「木曜組曲」恩田陸
【あらすじ】
耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。
時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。
ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。
なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、いつしか告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。
はたして時子は、自殺か、他殺か―?
【感想】
5人の女が集まって、その建物で起きた時子の死について話す話。
新たなる連続殺人でも起きそうな設定ですが、そんな事件は起きません。
女たちの心理戦、騙し合いです。
限られた人数の会話が物語を生み出していく恩田陸お得意の展開です。
いつもながら話の雰囲気はすばらしく、
少し幻想的でホラーのような張り詰めた空気。
そして本作はテンポもよく、さくさくと話が進みます。
最後のオチも満足いくものでしたし、
全体的に満足の良作です。
おすすめ。
しかし女は怖い。
【おすすめ度】
★★★★☆
木曜組曲 (徳間文庫) | |
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