「99%の誘拐」岡嶋二人

【あらすじ】
末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。
そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。
そして十二年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。
その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。
【感想】
岡嶋二人で一番有名なのがこの作品かもしれない。
ハイテクを駆使した誘拐もの。
作品自体は古いですが、今でも十分に楽しめる内容です。
過去に起きた誘拐事件をなぞるように、今再び誘拐事件が起きます。
犯人ややり口はわかっているので、そういう意味の緊張感はあまりないです。
しかしどんどん加速していく展開や、
誘拐のスリル、犯行の鮮やかさ、にあっという間に引き込まれ、
読み始めたらとまりません。
そして結末・・・!
ストン、っと物語は終わります。
余韻も良く、すばらしい作品です。
しかし敢えて言うならやや綺麗すぎます。
犯人が天才過ぎるのもあるのですが、
完璧過ぎるがゆえに心情面などでやや物足りない部分も。
ただ良い作品であるのは間違いないので、是非読んで頂きたい一冊です。
【おすすめ度】
★★★★☆

99%の誘拐 (講談社文庫)
99%の誘拐 (講談社文庫)岡嶋 二人,西澤 保彦

おすすめ平均5つ星のうち4.0
5つ星のうち4.0スリルに魅せられる
5つ星のうち4.0プロットが不磨すぎてシステムが異常をきたす
5つ星のうち4.0岡嶋二人の最高傑作
5つ星のうち4.0「一九八八年最高の誘拐小説」
5つ星のうち4.0引き込まれる


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