「殺しの双曲線」西村京太郎

【あらすじ】
差出人不明で、東北の山荘への招待状が6名の男女に届けられた。
彼らは半信半疑で出かけて行く。
雪に埋もれ、幸福感に酔っていた彼らはやがて恐怖のどん底に突き落とされた。
殺人が発生したのだ。しかも順々に……。
クリスティ女史の名作「そして誰もいなくなった」に、異色の様式で挑戦する本格推理長篇。
【感想】
トラベルシリーズとは別物です。本格ミステリです。
実は私はトラベルシリーズがあまり好きじゃないので、
西村京太郎先生の作品はほとんど読んでなかったんです。
しかしこれは面白かった。トラベルものしか読んでない方は是非。
あらすじにもあるように「そして誰もいなくなった」に挑んだ作品。
まず冒頭が印象的です。
「このトリックは双子を利用したものです」と書かれてるんですよ!
これだけで引きつけられました。
ミステリに双子が出てきたらたいていの場合は残念な気持ちになります。
しかしそれを踏まえた上でのこの一言。
本気の空気を感じて一気に引き込まれていきました。
物語は吹雪の山荘の連続殺人と、双子による強盗という別の事件が、
交互に語られていくことになります。
一見全く関係のない2つの事件、そして王道である吹雪の山荘。
どうなってしまうのか気になって一気に読めてしまいます。
そして結末も意外なもの。
冒頭でわざわざ宣言するだけのことはあります。
本格好きも是非読んでみてください。おすすめです。
【おすすめ度】
★★★★☆

殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)
殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)西村 京太郎

おすすめ平均5つ星のうち4.5
5つ星のうち5.0やっぱりスゴイ!! 日本ミステリの古典の一つ
5つ星のうち4.0技あり一本
5つ星のうち4.0堅い核で形成された
5つ星のうち5.0西村京太郎氏の最高傑作の1つ!!
5つ星のうち4.0ケレンの勝利


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