「哲学者の密室」笠井潔

【あらすじ】
開口部を完璧に閉ざされたダッソー家で、
厳重に施錠され、監視下にあった部屋で滞在客の死体が発見される。
現場に遺されていたナチス親衛隊の短剣と死体の謎を追ううちに
三十年前の三重密室殺人事件が浮かび上がる。
現象学的本質直感によって密室ばかりか、
その背後の「死の哲学」の謎をも解き明かしていく矢吹駆。
二十世紀最高のミステリ。
【感想】
現代密室と過去の密室という2つの密室の謎を解き明かす。
しかも三重密室という重いトリック。
そしてミステリでありながらかなり思想色が強い作品です。
主人公の得意武器が哲学ですし、
どいつもこいつも存在や死について考察しています。
そのせいで作品が難解で読みづらくなっている部分はありますが、
同時にそれが作品に深みと重厚さを与えています。
そしてそういう哲学的要素は抜きにしても
過去と現在と二つの密室トリックはかなり素晴らしく、
その解き明かされていく展開に大いに引き込まれます。
そこまでが長いですが。
哲学的内容も勉強にはなりましたが、正直その部分は読んでて少しつらかったです。
なんたって1200ページ近い作品ですしね。
しかしそれを乗り越えるだけの価値はある作品。
読む価値は十分にあります。
思想部分が楽しめる人なら最高傑作といえるでしょう。
そうでなくても一度は是非どうぞ。
【おすすめ度】
★★★★☆

哲学者の密室 (創元推理文庫)
哲学者の密室 (創元推理文庫)笠井 潔

おすすめ平均5つ星のうち4.0
5つ星のうち5.0時空を超えて共鳴する、ふたつの“三重密室”
5つ星のうち1.0到達。
5つ星のうち5.0間違いなくシリーズ最高傑作。
5つ星のうち5.0「密室」とは何かに迫る
5つ星のうち5.0重々しい二つの密室


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