「11枚のとらんぷ」泡坂妻夫

【あらすじ】
奇術ショウの仕掛けから出てくるはずの女性が姿を消し、
マンションの自室で撲殺死体となって発見される。
しかも死体の周囲には、奇術小説集『11枚のとらんぷ』で使われている小道具が、壊されて散乱していた。
この本の著者鹿川は、自著を手掛かりにして真相を追うが…。
【感想】
奇術家達の講演中に起きた殺人を描いたミステリ。
長編の中に短編集があるという変わった構成の作品です。
舞台となる殺人が作中に存在する11枚のとらんぷという本をなぞって行われており、 
この作品の半分くらいは作中の本のほうを読むことになります。 
凝ってます。アイディアを惜しみなく注ぎ込んでる感じがすごくいいです。
短編のほうはなかなか良い感じで、
それが本編である現実の殺人にも繋がってます。
ただ長編としてみるとちょっと気になるところも。
これは間違いなくこうだろ!と思った部分がそのままだと、
やや肩透かしを食らった気持ちになります。
もちろん気付けない見事な伏線もあるし、
短編が長編につながっているという構成もすばらしいのですが。
構成も短編も面白いですがやや惜しい印象でした。
【おすすめ度】
★★★☆☆

11枚のとらんぷ (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
11枚のとらんぷ (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)泡坂 妻夫

おすすめ平均5つ星のうち4.5
5つ星のうち5.0真相究明の手がかりは、十一編のショート・ショートの中に
5つ星のうち5.0職人気質作者の丁寧な作りが光る。仕事に逃げがない素晴らしさ。
5つ星のうち4.0マジキ クラブ
5つ星のうち4.0さすが本職マジシャン
5つ星のうち5.0気持ち良く騙される快感


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