「クリスマス・イヴ」岡嶋二人

【あらすじ】
山あいの別荘でのクリスマス・パーティーへと向かった敦子と喬二。
だが、夜になって到着した別荘には明かりひとつなく、
メチャメチャに荒らされたリビングには、喬二の友人・小坂の血まみれた死体が!
雪に閉ざされた別荘地を襲う不条理な殺意。緊迫の長篇サスペンス。
【感想】
ミステリではありません。
孤立した別荘で起こる殺人、迫り来る犯人の恐怖を描いたホラーorサスペンス。 
岡嶋二人らしくない作品です。
前半は面白い。こういうジャンルでもここまでいけるのか!と思えるほどのドキドキをくれる。
これは傑作になるかもしれない・・・!とまで思わせてくれるのですが、
いかんせんすぐ犯人がわかってしまいます。
そこからの展開も決して悪くはないのですが、
序盤から比べると非常に残念な印象です。
サスペンス的話でありながら、どこかミステリ風で合理的なのが逆によくなかった。
得体の知れない敵、誰も信用できない恐怖、こういうジャンルはそういう理不尽さが面白いのに、
犯人や理由がはっきりしてしまうから、恐怖が生まれづらい。
サスペンスならもっと謎めいた感じで。
ミステリ風にするなら合理的な筋の先に驚きのどんでん返しが!という展開にして欲しかった。
とはいえ岡嶋二人の作品だと思わなければなかなかの出来。
ホラー、サスペンスが苦手でなければ時間があるときにどうぞ。
【おすすめ度】
★★★☆☆

クリスマス・イヴ (中公文庫)
クリスマス・イヴ (中公文庫)岡嶋 二人

おすすめ平均5つ星のうち4.0
5つ星のうち3.0赤川次郎の作品みたい
5つ星のうち3.0岡嶋作品制覇中
5つ星のうち5.0手に汗握ります…
5つ星のうち4.0凡百のホラー映画よりはるかに怖い!!


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