「虐殺器官」伊藤計劃
【あらすじ】
9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。
先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、
後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、
ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…
彼の目的とはいったいなにか?
大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?
【感想】
米軍のある人物を視点とした近未来SF。
まず気になったところ。
文章にまわりくどいところがあってやや読みづらい.
味のある表現とも言えるのでここは好みかな。
あと全体的に淡々としているので感情移入はしづらい。
ずっとシェパード視点なのにあまりのめりこめなかった。
その一方でSF要素はすばらしい。
敵地への潜入が主な話になるんだけど、
そこで用いられる数々の技術、発想がすばらしい。
更にその近未来社会の、現代とは違う部分の描き方もいい。
そうなったきっかけやその弊害などもリアル。
というわけで密度も濃く、骨太なSFなんだけど、
その一方で万人におすすめとは言いがたい作品でした。
SF要素や近未来技術にテンションが上がる人にはおすすめします。
【おすすめ度】
★★★☆☆
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