「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午

【あらすじ】
「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、
同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。
そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして―。
【感想】
久しぶりのミステリ。
ちょっとナルシスト入ってる素人探偵が、
霊感商法グループを追いかける物語。
ある殺人の真相を目指して話は進むのだが、
同じ時系列でずーっと追いかけるのではなく、
合間合間に主人公の一見無関係な場面や過去での武勇伝(?)が挿入されて、
それが徐々に絡み合っていく展開になっている。
何の話だっけ？って思うときもあるけど基本的には読みやすい。
そしてこの作品の肝はトリック。
トリックが全ての作品なのでネタバレは厳禁。
読み終わってみると、ああそういうことか、と納得できる場面がいくつもある。
ただそのトリックのためだけの作品になっちゃってるような印象も受けてしまった。
それ以外の部分がもう少しあれば、と思ってしまう。
でもトリックはすばらしいので作品としては満足できると思います。
読むときは事前情報なしで読んでください。
良作でした。
【おすすめ度】
★★★★☆

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫) 歌野 晶午 文藝春秋 売り上げランキング : 2388 Amazonで詳しく見る by AZlink