「アヒルと鴨のコインロッカー」伊坂幸太郎

【あらすじ】
「一緒に本屋を襲わないか」
大学入学のため引越してきた途端、
悪魔めいた長身の美青年から書店強盗を持ち掛けられた僕。
標的は、たった一冊の広辞苑――
四散した断片が描き出す物語の全体像とは?清冽なミステリ。
【感想】
あらすじは上記の通りだけど、物語は二つの視点が交互に繰り返されます。
最初は繋がりが見えなかったその二つが徐々に・・・という展開。
伊坂幸太郎得意のパターンですね。
構成と細かく張られた伏線が見事です。
ちょっとずつちょっとずつ繋がりが見えてきて、
ちょっとしたキーワードで、あ、これがそうかな?なんて思って、
だんだん全体像がわかってきて・・・そして驚きの結末。
パズルのようにピタっと全部がはまる様は見事です。
ただストーリーはあまりすっきりする話ではありません。
構成やパズル的な要素はすばらしくて、おお!と思えるのですが、
その実となるストーリーだけを考えてみると、・・・という感じ。
ちょっと主人公が傍観者過ぎたような印象を受けました。
もっと世界に入りたかった。
とても読みやすい作品ですし、ひきこまれる部分もあります。
人によってはかなり好きになれる作品だと思います。
【おすすめ度】
★★★☆☆

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
伊坂 幸太郎

東京創元社
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