「隠蔽捜査」今野敏

【あらすじ】
竜崎伸也は、警察官僚である。
現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。
その朴念仁ぶりに、周囲は“変人”という称号を与えた。
だが彼はこう考えていた。
エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。
組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。
【感想】
警察庁に務めるキャリアが主人公の警察小説。
あらすじにあるように主人公はやや変人で、
人の感情をあまり理解しない人物。
自分の仕事は国を守ること！と心から思っていて、
法律も当然守られるべき！と考えるような真っ直ぐさ。
こういう正義感キャラは普通は鬱陶しくて嫌いなんだけど、
本作では周りから変人扱いされることでその鬱陶しさが一切ない。
結局はそこが一番すばらしいような気がする。
そしてこの人物が殺人事件に巻き込まれていくんだけど、
この性格がうまい具合に物語のテーマと合っていて、
この人じゃないとできないような動き方をしてくれる。
最初は変な人だなーって思ってたけど、最後にはちょっと好きになれます。
良作でした。
【おすすめ度】
★★★★☆

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