「噂」荻原浩

【あらすじ】
レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。
でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」
香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。
口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。
販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、
やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見されて・・・
【感想】
足首を切り取られるという猟奇殺人が発生。
それを追うベテラン刑事+女性刑事の物語。
謎を解き明かすミステリーではなく、
地道な捜査が少しずつ真相へと繋がっていく過程を楽しむ話。
そしてそうしているうちに刑事二人が信頼関係を深めていくのも楽しめる。
続きが気になる展開が続くし、文章も読みやすいので一気に読めちゃいます。
驚愕の結末というわけではないけど、丁寧に伏線も張られていてそれもいい。
ただラスト2ページだけが残念でした。
個人的にはああいう結末は大好物なんです。
わずかな言葉で一気に裏側が見えるしゾクゾクしちゃいます。
ただこの作品に関して言えば、あのラスト一行はやめて欲しかった。
衝撃は増すけど、後味が悪くなるだけで蛇足なんじゃないかと・・・。
そうするならここまでの描き方を変えて欲しかったです。
というわけで後味はいまいちでしたが良作ではあると思います。
気になった方は是非どうぞ。
【おすすめ度】
★★★★☆

噂 (新潮文庫)噂 (新潮文庫)
荻原 浩

新潮社
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