「儚い羊たちの祝宴」米澤穂信

【あらすじ】
優雅な読書サークル「バベルの会」にリンクして起こる、邪悪な5つの事件。
恐るべき真相はラストの1行に。衝撃の暗黒ミステリ。
【感想】
名家で起きる事件を描いた短篇集。
半分ミステリで半分ホラーのような作品。
ただしホラーといっても超常的な話はありません。
どの話も名家のお嬢様かその周りの人が主人公で、
ほぼその人の語りで物語が展開していきます。
この視点と名家ならではの独特な厳格さが、
作中全体に漂う暗い雰囲気を演出してて、これがすごくいい。
どよんとした、じめっとした、陰湿で暗い空気が感じられます。
そしてどの話にも意表をついた結末が待ってます。
これもよかった。
ただこの帯やあらすじの表現は不適切のような気がしますけど。
煽りすぎのような・・・。
作品として一番気に入ったのはやはり最後の作品ですかね。
途中から薄々わかってたけど、あのラストときたら・・・。
見事にゾクッとさせてくれました。
人は選ぶと思いますが、ホラーもありならおすすめできる作品です。
おすすめして下さったさなっちさん、ありがとうございました。
【おすすめ度】
★★★★★

儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
米澤 穂信

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