「欲しいのはあなただけ」小手鞠るい

【あらすじ】
支配欲をむき出しに、ときに力で組み伏せる「男らしい人」と、
家庭を持ちながらもひたむきに愛してくれる「優しい人」。
ふたつの恋を思い返すときだけ、わたしはつかの間生者になれた。
激しくのめり込み、やがて溺れる恋の欲望を、駆け抜ける文体で描き出し、
圧倒的共感を得た注目の恋愛小説。
自由よりも、後悔よりも、欲しいのは…。
全選考委員が絶賛した、島清恋愛文学賞受賞作。
【感想】
主人公の女性の2つの恋が描かれた作品。
ただしこの恋の気持ちがものすごいです。狂おしいほどです。
想いが強すぎるから切なくて苦しい。
まず最初は「男らしい人」との恋。
正直この男らしい人に対してはあまりいい印象はなく、
むしろちょっとイライラしちゃいました。
ただそんな男らしい人を想う主人公の気持ちがすごい。
一途で、もうそのこと以外考えられなくて、全てを捧げるような恋。
そして描かれるその感情がすごくリアルで生々しくて、
恋の狂おしいほどの感情が強く伝わってきます。
ここまで人を想えるのかと憧れてしまうほどです。
優しい人との恋でもそれは同じ。
読み終わってタイトルを見るとすごく納得がいきます。
この感情に共感できる人ならたぶんもっと面白いです。
【おすすめ度】
★★★☆☆

欲しいのは、あなただけ (新潮文庫)欲しいのは、あなただけ (新潮文庫)
小手鞠 るい

新潮社
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