「夢違」恩田陸

【あらすじ】
「何かが教室に侵入してきた」
学校で頻発する、集団白昼夢。
夢が記録されデータ化される時代、
「夢判断」を手がける浩章のもとに夢の解析依頼が入る。
悪夢は現実化するのか?
戦慄と驚愕の幻視サスペンス。
【感想】
夢が映像として記録できる近未来を舞台としたサスペンス。
まずこの設定がいい。
夢を記録できてそれを他人が見られるというSF設定だけで、
ちょっとワクワクさせてくれるし、
それによって世界がどう変わったかという部分も面白い。
そして序盤もいい!
死んだはずの人が幻のように現れたり、
学校で不可解な事件が起きたりして、
それを夢を見ながら解き明かそうとするんだけど、
夢だからこその現実感のなさが怖さを感じて面白い。
ただここからあとは序盤の盛り上がりに比べるとちょっと・・・かな。
恩田陸の作品らしく雰囲気がすごくいいので、
読んでるときは作品の幻想的な世界に浸って楽しめる。
でも終わってから我に帰ると、オチが・・・という感じ。
だからサスペンスとして考えるといまいちかな。
雰囲気を楽しむ作品としてならすごく良かった。
恩田陸の作品が好きな方なら楽しめると思います。
良作。
【おすすめ度】
★★★★☆

夢違夢違
恩田 陸

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