「阪急電車」有川浩

【あらすじ】
恋の始まり、別れの兆し、そして途中下車……
関西のローカル線を舞台に繰り広げられる、
片道わずか15分の胸キュン物語。
【感想】
ある路線を舞台にした連作短編。
いろんな話があるんだけど、どれもたまたま乗り合わせた他人や、
車中で聞いた会話なんかに影響されて展開していく。
この、"他人なんだけど今だけは理解者"、みたいな薄い繋がりがすごく心地いい。
そして話の内容もすごくいい。
恋のキラキラした話もその逆の話も人間関係や心情がすごくうまく描かれてる。
そしてそこに他人が影響を与える、というシチュエーションもうまい。
更に後半は折り返しで、前半のみんなのその後が描かれるという嬉しい展開。
相変わらず読みやすくてサラっと読めちゃうし、
最初から最後まですごく楽しく読めました。
有川浩の良さが発揮されてた気がします。
良くも悪くも軽さのあるところがいい方向に作用してたというのかな。
設定が凝ってる話だとそこが気になっちゃいますしね。
有川浩の他の作品ももっと読んでみよう、って思えるほどに好きな作品でした。
おすすめです。
ただしみんなの恋が充実しすぎててちょっと打ちのめされますけど・・・!
【おすすめ度】
★★★★★