「奇面館の殺人」綾辻行人

【あらすじ】
奇面館主人・影山逸史に招かれた六人の男たち。
館に伝わる奇妙な仮面で全員が“顔”を隠すなか、
妖しく揺らめく“もう一人の自分”の影…。
季節外れの吹雪で館が孤立したとき、“奇面の間”に転がった凄惨な死体は何を語る?
前代未聞の異様な状況下、名探偵・鹿谷門実が圧巻の推理を展開する。
名手・綾辻行人が技巧の限りを尽くして放つ「館」シリーズ、直球勝負の書き下ろし最新作。
【感想】
館シリーズの9作目。
全員が仮面をつけることを義務付けられる不思議な館で起きる殺人事件。
結論から言えば良作でした。
最近の館シリーズよりは楽しめた。
孤立した状況で起きる殺人事件。当然容疑者は限られてる。
しかし犯人探しをする前に、まずなぜ殺されたのかがまずわからないし、
死体があんな状況なのもわからないし、そしてなぜ全員が仮面を・・・、
と不可思議な部分が多い。
ミステリ好きならまず思いつくアイディアがあるんだけど、
そうだとしても辻褄の合う理由がなかなか見つからない。
でも最後にはそれがスパッと解き明かされるし、
そこまでの論理展開が見事だった。
うまくやられた、という印象。
不自然さなく、ここまで話を広げたことが見事だと思います。
館シリーズとしての定番の部分も楽しめるし、
館シリーズ好きなら読んで損はないと思います。
良作。
前作までの話がチラチラ出てくるので、
シリーズ未読の方は最初から読むことをおすすめします。
【おすすめ度】
★★★★☆