「真夏の方程式」東野圭吾

【あらすじ】
夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。
仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。
翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。
その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。
彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか…。
これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。
【感想】
ガリレオシリーズの長編。
湯川が泊まった宿で不審な事故が起きる話。
その事故に不自然なものを感じた湯川が、
自分から首を突っ込むという珍しい展開に。
そして遠く離れた東京では草薙たちが事件を調べあげていきます。
まず構成は見事です。
何気ない日常のシーンが伏線になっているのもうまいし、
どう考えても関係なさそうな事柄が繋がっていく展開はさすが。
そして結末にもちょっと驚きました。
ただ・・・いろんな意味で救いのない話でした。
これなら最初からこういう雰囲気をまとった話にして欲しかった、
というのが正直な気持ちです。
あと湯川のキャラクターにもちょっと違和感を感じちゃいました。
旅先かつ子供相手ってのもあるし、相棒がいないってのもあるんでしょうけど、
なんかしっくりこなかった。
読みやすいし、まとまりもあるんだけど、
良くも悪くも普通の作品だった気がします。可もなく不可もなく。
シリーズが好きな方はどうぞ。
【おすすめ度】
★★★☆☆