「K・Nの悲劇」高野和明

【あらすじ】
若くして成功した夫との新しい生活。
だが予期せぬ妊娠に中絶という答を出した時から、夏樹果波の心に異変が起こり始める。
自分の中に棲みついた別の女―精神の病か、それとも死霊の憑依なのか。
治療を開始した夫と精神科医の前には想像を絶する事態が待ち受けていた。
乱歩賞作家が描く、愛と戦慄の物語。
【感想】
妊娠をテーマにしたホラー。
幸せいっぱいな夫婦だったのに、中絶を選択してから全てが狂い始めます。
それを解決しようと主人公や医師が奮闘する物語なのですが、
これが怖い。
よく知っているはずの人が変貌する恐怖もあるし、
信じていた相手が信じられなくなっていく恐怖もある。
そしてどんどん主人公の心が追い詰められていきます。
ただそれをじっくり描くというよりもテンポよく進んでいくので、
読みやすくて一気に読めてしまいます。
一応サスペンス風には進んでいくんだけど、
謎を解き明かす物語ではなく、
こういう状況になってしまった人たちを描いた物語、です。
あくまでホラーとして読んだほうがいいです。
【おすすめ度】
★★★☆☆