「彼女が追ってくる」石持浅海

【あらすじ】
“わたしは、彼女に勝ったはずだ。それなのに、なぜ…”
中条夏子は、かつての同僚で親友だった黒羽姫乃を刺殺した。
舞台は、旧知の経営者らが集まる「箱根会」の夜。
しかし死の直前にとった被害者の行動が不協和音を生み、やがて・・・。
【感想】
閉ざされた状況で殺人を犯した女が主人公。ミステリ。
殺人を犯すまでも描かれますが、主となるのは死体が見つかったあと。
全員で推理する流れになり、そこからの全員での会話が物語の見せ場です。
そして普通は犯人視点の物語なら全てがわかってるはずなんですが、
今回は犯人も知り得ない不可解なことも起きています。
こうして主人公自身も被害者の残した謎に挑戦することに。
そしてやがて・・・。
この緊張感がたまりません。
どうなってしまうのかわからなくてドキドキしながらあっという間に読んじゃいました。
オチも満足。
ただトリックが楽しい作品ではなく、
主人公に感情移入してドキドキして楽しむ作品だと思うので、
そこがダメだとそれなりかもしれません。
ページ数も多くなくてさらっと読めるので是非どうぞ。
ちなみにシリーズ3冊目だったらしいのですが、いきなりこれから読んじゃいました。
でもたぶん問題ないです。
あの人がシリーズの主役なら、むしろシリーズものとしては読まないほうがいい気がします。
活躍を期待して読むと肩透かしを食らいそうな・・・。
【おすすめ度】
★★★★★