「ルーズヴェルト・ゲーム」池井戸潤

【あらすじ】
監督に見捨てられ、主力選手をも失ったかつての名門、青島製作所野球部。
創部以来の危機に、野球部長の三上が招いたのは、挫折を経験したひとりの男だった。
一方、社長に抜擢されて間もない細川は、折しもの不況に立ち向かうため、聖域なきリストラを命じる。
廃部か存続か。繁栄か衰退か。
人生を賭した男達の戦いがここに始まる。
【感想】
廃部の危機を迎えた社会人野球部とその会社を描いた熱い物語。
面白かった。
野球部はエースと監督が引きぬかれて大ピンチ。
会社は不景気とライバルに押されて大ピンチ。
そんな状態でそれぞれがこのピンチを乗り越えていきます。
池井戸潤らしい作品ではあるんだけど、
野球を題材にしてるせいか、いつもよりも重さは少なめ。
ストレスなく楽しめる要素の多い作品になってます。
もちろんらしい部分もいっぱいありますけどね。
特に最初はぶつかってばかりに思えた会社内が、
だんだんまとまっていくのにはやられてしまった。良かった。
最後のオチも実に現実的で満足いくものでした。
ご都合主義的な感じは一切なかった。
重い作品が苦手でもこれなら楽しめると思います。
大満足です。
【おすすめ度】
★★★★★