「臨場」横山秀夫;

【あらすじ】
辛辣な物言いで一匹狼を貫く組織の異物、倉石義男。
その死体に食らいつくような貪欲かつ鋭利な「検視眼」ゆえに、
彼には‘終身検視官’なる異名が与えられていた。
誰か一人が特別な発見を連発することなどありえない事件現場で、
倉石の異質な「眼」が見抜くものとは……。
組織と個人、職務と情。警察小説の圧倒的世界!
【感想】
検視(鑑識)の立場から描かれた警察ものの短編集です。
終身検視官の倉石義男が作品の主人公で、毎回登場するんだけど、
各短編の主役(視点)は別の人物。倉石を見てる人たちです。
事件と同時にこの視点となる人達のドラマがあるんだけど、
主人公の倉石がすごいです。まさにスペシャリスト。
極端に言えば何でもお見通し!に近い。
キャラも立っててほんと味のあるいい人物です。
あと作品全体としては相変わらずリアルで横山秀夫らしい作品ですが、
いつもの作品よりもややミステリっぽい印象も受けました。
良くも悪くも。
あとはこの視点が変わるのも短編らしくてよいんですが、
できれば視点固定で倉石を見ていたかったなーという気もしました。
いろいろ書きましたが短編としてはすばらしいです。
おすすめです。
【おすすめ度】
★★★★☆

臨場 (光文社文庫)
臨場 (光文社文庫)横山 秀夫

おすすめ平均5つ星のうち4.5
5つ星のうち5.0ハードボイルド!
5つ星のうち3.0短編は好きですか
5つ星のうち4.0それなりに
5つ星のうち4.0短編だけど読み応えたっぷり。
5つ星のうち5.0エピソードに凝縮された人生


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