「絡新婦の理」京極夏彦

【あらすじ】
当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな―
二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。
房総の富豪、織作家創設の女学校に拠る美貌の堕天使と、
血塗られた鑿をふるう目潰し魔。
連続殺人は八方に張り巡らされた蜘蛛の巣となって刑事・木場らを眩惑し、搦め捕る。
中心に陣取るのは誰か?シリーズ第五弾。
【感想】
1400ページ弱の超大作。しかもそれが一冊だもんだから太い。 
さすがという他ない。 
しかしこの長さでも一気に読ませてくれた。面白かった。疲れたけど。
話はいくつかのばらばらの事件が話が進むにつれ徐々に収束していくんだけど、
いったん他にうつってからまた戻るまでに何百ページもあったりする。 
おかげで記憶を呼び起こすのがやや大変だった。
一気に読んだから良かったけど、何日もかけて読んでると忘れそう。
今回は面白いシーンがいくつもあった。
特に事件構造を語る部分はかなりドキドキさせてくれた。
トイレの例もうまかったし、そして二人の憑落しの盛り上がりときたら・・・
その割に最後のシーンはあまり好きじゃなかったけど。
ただラストで気付く物語の構造はすばらしかった。
あと終わったあとに考察できる余地があるのもいい。
あーじゃないかこーじゃないかと意味について考えてたらだいぶ時間経っちゃった。
もう1回読み返したいけどこの長さだとちょっと・・・
普通の本なら4冊くらい読めちゃいますもんね。
まあ読み返すかどうかは別としても、
非常に面白い作品でした。
おすすめです。
【おすすめ度】
★★★★★

4062735350文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)
京極 夏彦
講談社 2002-09-05

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